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ロナードの話です。
ただ私がロナードが髪を切った理由が気になって妄想した結果生まれた話。
興味のある方は続きからどうぞ~。





彼が髪を切った理由

「ロナードなんで髪伸ばしてるんだ?」
レイナスの唐突な質問にロナードは面食らった。
滅多に崩れないポーカーフェイスが珍しく崩れかける。
驚くのも無理は無い。ロナード達は現在進行形でモンスター討伐の真っ最中だったりするのである。
2本のレイピアを振るいながらレイナスは背後のロナードへ笑顔でもう一度問いかけた。
「伸ばしだしたのは士官学校時代くらいだっけ?もうずいぶん長くなったよな・・・何か願掛けでもしてんの?」
軽い口調でレイナスが言った。
「・・・・・・今は口より手を動かせ」
少々あきれ気味に背後のレイナスへロナードは答える。
「えー、気になったら止まらなくなったんだよー。あ、そっちに1匹行ったからヨロシク!」
軽い口調とは裏腹にまるで剣舞の様に舞いながらレイナスはモンスターを屠っていく。
相変わらず綺麗な太刀筋だ。
そんな事を思いながらロナードは新たにきたモンスターを自身の大剣で一刀両断にした。
小柄なレイナスは素早さと技巧で。大柄なロナードは力と大剣を生かして複数のモンスターを一度に屠って行く。
「なーなー、なんでー?」
「五月蝿い。この戦が終わったら考えてやるから今は敵に集中しろ。だいたい誰のせいでこんなモンスターの巣に突っ込む事になったと思っているんだ」
しつこく聞いてくるレイナスにロナードは耐えかねて早口に捲くし立てる。
「マジッ!?了解。俺頑張る♪」
ロナードの言葉で興奮したレイナスは今まで以上の速さでレイピアを操りモンスターを屠っていく。
現金なヤツ。
俺は『考えてやる』と言っただけで『答える』とは言ってないんだがな・・・。


「何笑ってるんだよ?」
ザードに言われ思い出し笑いをしていた自分に気づいた。
「ただの思い出し笑いだ。問題ない」
「ロナードさん笑顔珍しい!ロナードさんはもっと笑った方がいいと思うのっ。笑顔は人を幸せにするんだよ?ザードは何でも喧嘩腰で人と喋るのいい加減やめなよね。子供なんだからー」
「ラナッ!?」
「ロナードさん、本当に切ってもいいの?」
ザードの不満の声はサラッと無視し勢いよく喋っていたラナが少し不満そうにロナードへ尋ねる。
「あぁ、かまわない。バッサリやってくれ」
「でも・・・せっかくこんなに綺麗だし似合ってるのにぃ」
ラナの顔が残念そうに歪む。
その顔には『もったいない』と思いっきり書いてある。
その子供ぽい口調と素直な態度に笑顔がもれた。
ラナは今は会えない相棒に似ている・・・。
喜怒哀楽がハッキリところもロナードの相棒に似ていて好ましい。
「・・・いいんだ。これは願掛けで伸ばしていただけだから。願いが叶ったのにそのままだと悪いことが起こるかもしれないだろう?」
ロナードの言葉にラナは目を見張り、にっこり笑った。
その顔は幼いながらも女の顔でロナードを驚かせた。
「ふふ、それなら遠慮なく切らせていただきますっ」

ザクザク

髪を切る音が室内に響く。
静かに響く音を聞きながらロナードはこの髪のことで相棒に執拗に質問された時のことを思い出した。
髪を伸ばしだしたのは士官学校に在学中の時からだ。
短かった髪は長い年月を経て長身のロナードの腰を覆うほどになった。
長髪が珍しいわけではないが、今まで実用重視で髪を短くしていたロナードを知るものは皆驚いた顔をしていた。
同僚の従姉妹もかなり驚き理由を知りたがったものだ。
理由を知ればもっと驚くだろう。
「・・・よかったですね」
「・・・・・・」
「伸ばしてたのは好きな人の為でしょう?」
「・・・あぁ」
願掛けをしていた、としか話さなかったのに幼くとも女は聡い。
すぐに言い当てられ気恥ずかしく憮然とした声がでた。
「また伸ばすんですか?」
ラナの質問に少し考えた後ロナードは答えた。
「もう伸ばさない」
「どうしてです?」
「願いあ叶った。そう何度も叶えてくれるほど髪は暇でも優しくもないだろう」
「・・・そうですね」
この過酷な地上の世界で両親を失い、たった一人の姉も人体実験の為連れ去られ、一人残された世界で生きるラナはこの世界の残酷さをよく知っている。

ザクザク

自分の髪が切られる音が思った以上に響いている気がする。
願いが叶ったと言ったがあいつは・・・レイナスは無事脱出できただろうか。
アルペイトケイブ意識が途切れる際かすかにレイナスも転移魔法で飛ばされるのを見た。
どこに飛ばされたかまでは分からないが自分が生きているのだからレイナスも生きている。そう信じたい。
髪を切るは願いが叶っていると信じたいからだ。
初めて会ったあの時から願うのはただレイナスが生きて笑顔でいること。
その為なら俺はなんでもするし、してしまうだろう。

雲の上と下。
生きる世界が違ってしまったとしても。
もう二度と会えなくても。
生きて笑っていてくれればそれでいい。


友人に『描けないなら書けばいいじゃない』と言われ書いてみました。
一応、初挑戦!
勢いだけですが地味に楽しかった・・・!!
フライハイト好きだぁぁぁぁ!!><
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